教科書;Molecular and cellular MR Imaging

Update : 2008.05.17 (21:29:06)

Posted : 2008.05.17 (21:29:06)

 数ヶ月に購入して一度は跳ね返された教科書(ISBN:0-8493-7252-6)の再攻略を試みました。Molecular/Cellular イメージングを2008ISMRMトロントでさんざん勉強しました結果、おおかたの内容がチラホラと理解でき、大変に満足しました。いっぽうで、すでにこのように教科書が、もちろん英文ですが、すでにしっかりと出来上がっているという米国の生物科学のスピードと著者のバイタリティにも恐れ入ります。来週の大宮で行われる日本分子イメージング学会での、米国勢と日本勢の進行度の開き具合に注意したいところ。
 さて、そうやって教科書のページをめくっておりますと、何やら見たことのある画像が! セクション16.2.3にHuman Embryo MRIの解説があるではないですか。それは松田善正さんのMRM論文が完全に引用してあり、雑誌社の許可を得て画像(Fig.8)を(P285の右上に)掲載(Fig.16.1として)しているという但し書き。博士論文の内容も海を越えて評価されている証拠だと思いますし、素晴らしいですね。トロントではこの研究内容の続きを巨瀬研の後輩がポスター発表していましたので、店番を手伝っていましたら、「まず最初に聞きたいのですが、Chemically fixedとはどういうことですか?!」と質問されました。生きたembryoを麻酔か何かで固定するかのように勘違いされたようです。「京都大学塩田研究室には世界に類を見ない貴重なembryoコレクション(京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター)があるのです」と説明しておきました。
 ということで、今回のまとめとしては、分子イメージングが生きたembryoにまで応用される日はそのうち来るように思います、もちろん超並列も流行りますでしょう、という言葉で締めくくりたいと思います。