第3回日本分子イメージング学会に参加して

Update : 2008.05.23 (01:01:24)

Posted : 2008.05.23 (01:01:24)

さて、日本分子イメージング学会は今回で開催第3回目。そもそもマルチモダリティの応用
を掲げている学会でもありますが、そのような計測機器に携わる研究者群を横断的に
まとめ上げるようなリーダーシップを発揮できるヘッドおよび組織が成り立つのか、
ということへのチャレンジそのものとも考えられる学会です。
午前中はおもにGFPの話であった。最初の招待講演者であるR.Hoffman博士のtalkは
大変にeducativeであり、1960年代の下村脩博士のGFPの発見から現在最先端の
発光・蛍光イメージングに至るまでの経過を丁寧にlectureされた。
それにしても蛍光イメージングは、色=colorが多く、事情に華々しいのでMRI屋から見ると
若干の、嫉妬心を感じずにはいられない。三浦正幸先生の御講演は、MRIではほぼ全く
題材に上がらないアポトーシスの話であったが、ショウジョウバエのメカニズムを
中心に大変に丁寧にお話になられただけでなく、日本語に冗長性が全くないしゃべり
方をなさるので、結構難しい話ではあったが、集中して聞くことができた。このような
単一細胞を起点として(もしくはそれよりも小さい分子レベルとの示唆もあった大きさで)
起こっている現象には、細胞をラベルすることができる特徴も強く、光イメージング
は大変に強力むしろ標準ツールであると改めて思う。このような人たちにはMRIは不要
であろうし、今後も、光が透過する実験系をどんどんと追及されていくのだろう。
午後に入って、シンポジウムということで、MRI関係の講演があった。
横山昌幸先生のDDS(ドラッグデリバリシステム)を用いたMRI造影剤へのアプローチ
は興味深かった。つまり話によれば、抗原抗体反応などはおおよそ25年前のトピック
であり、現在はリポソームや高分子ミセルといったDDSキャリアを利用して、造影剤を場合に
よっては抗がん剤などの治療薬と混ぜて投与する時代であるというものである。
DDSキャリアに関しては、すでに学問分野が形成されており、そのでの先駆者の知見
は間違いなくMRI造影剤開発でも今後の活躍があることは想像に難くない。
つまり、ターゲットへ薬物(=Gd等)をデリバリする技術がすでにあるわけである。
高分子ミセルのサイズが10umφ、分子量20000であるのに対し、Gdの割合が30%と高く
なってしまっているのが現状のDDS型のMRI造影剤の問題であると忌憚なく説明があった。
6月29日30日にDDS学会があるとのアナウンスもあった。
青木伊知男先生の話は、総論でまとまったものであったが、Feのナノパーティクルの話
では、1.63umφの1個が、MRIでは100倍に拡大されて黒く抜けると画像の提示があった。
ということで、足場を確認するには非常に有意義な学会参加であった。
MRminiSAは、良好な画質と使いやすさをさらに前面に押し出すよう研究開発を
進めるのがもっとも適切と考えられる。まだまだ道のりは長そうであるが、
光学顕微鏡と同じく普及するよう、MRIの道筋を開拓して行きたいと思う。
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 PS.朝の出来事。つくば駅からTXを使い南流山駅で乗り換えたのですが、
 朝の通勤ラッシュでそれなりに衝撃的な光景が。武蔵野線からTX南流山駅(地下)
 までに、3本平行にあるエスカレータの2本が下り線用になっている時間帯の午前7時、
 その2本のエレベータには武蔵野線からガンガンガンと途切れなく駆け降りて
 くる人々の波が。もちろん暗黙の左側に立つというルールを守って立ち止まって
 降りてこられる普通の方もそれなりにいらっしゃる。後でこの原因を考えてみたが、
 TXと武蔵野線はそれなりに利便性が高いのにもかからわず、本数が少ないことが
 問題ではないかと思う。
 TX秋葉原駅も地下深くである意味、老人子供には危ないですが、TX南流山駅も大変
 な危険度です。TX運行会社としてはそういう状況はすでに分かっているはずでしょう
 から、対策を講じられた方がよいかと思います。ここで書いても読まないか。な。