コンパクトNMR/MRIの可能性はさらに広がります
Update : 2011.07.27 (12:24:53)
Posted : 2008.04.25 (22:43:22)
MRI(磁気共鳴イメージングimaging、もしくは装置instruments)のPaul Lauterbur博士らによる発明(2003年ノーベル医学生理学賞)は比較的最近の1973年(筑波大学開学)になります。詳しい説明についてご興味のある方はこちらのWEB情報をご覧下さい。
2008年現在、臨床用MRI(頭部と腹部をおもに撮像対象としている)の市場は全世界でも年間¥3,000億程度といわれており、GE,シーメンス,およびフィリップスらによる超大手企業のほぼ独占となっています。国内企業では東芝と日立が研究開発から製造販売までを行っていますが、市場占有率は2社を合わせても約10分の1(=¥300億円)程度に止まっています。また、高分解能NMR装置は世界で年間¥300億円の市場と言われていますが、ブルカー、バリアン、およびJEOL社によってほぼ占有されています。
さて、当社(株)エム・アール・テクノロジー(=以下MRTe)はこのような大手企業と中堅企業の独占市場において、コンパクトNMR/MRIというコンセプトで独自の地位を切り開きつつあります。以下にその経緯と現状をご説明いたします。
1999年の会社設立の契機となったのは、1997年に初めての実験に成功した独立したコンソール(計測電機系)によるMRマイクロスコープでした。当時は、「MRI組み立てキット」などとして研究者向けに販売できないか、などという単純な発想での試行錯誤でした。しかしながら、静磁場が無い装置は運用時間制限などの問題が大きく、一般的な使用を考えた場合、さらなる一手が必要でした。その頃に、永久磁石磁気回路と出会います。つまり「永久磁石を用いたMRI」を開発することで、全体のパッケージとしての小型化に成功します。
ここに、小型永久磁石磁気回路+小型MRIコンソール=コンパクトMRI、と呼ぶに相応しいコンパクト一体型のMRIが完成いたしました。
代表的な研究開発にかかわる業務内容
・工学部用NMR/MRI;流体計測、水分計測、燃料電池。
・マウス・ラット用MRI
・食品用NMR/MRI、植物用MRI
・リウマチ診断用MRI
・小動物用麻酔器システム
・輸入NMR/MRI装置の販売メンテ
小型MRIの場所的な制約
・4平方メートルほどの敷地があれば専有面積は2平方メートルで設置できます。
・専用部屋は不要ですが、空調や床対荷重の検討は必要です。
・漏れ磁場(5ガウス;地磁気の10倍)の範囲は、磁石の表面から最大1m程度です。
通常使用での電力消費
・維持のために50W、アイドリングで600W、瞬間最大1500Wの電力が必要となります。
注文してから納品、設置完成、操作方法の習熟、実働までのおおよそのタイムフレーム
・納期は3か月~4カ月となっております。
メンテナンス費用などランニングコスト、サポートについて
上記業務内容の機種ごとに異なりますので、ぜひお問い合わせいただきたくお願いいたします。
強磁場が人体に与える影響について
永久磁石NMR/MRIは、人体に影響が出るレベルの高周波、静磁場、勾配磁場を扱っていません。
人体の撮像の場合はその他、高周波、勾配磁場などの影響に関しても、厚生労働省の基準に従い運用しています。
以上