四方山話; 風姿水伝

Update : 2010.08.09 (10:27:25)

Posted : 2010.08.09 (10:02:28)

海洋大学(品川)で第14回NMRマイクロイメージング研究会がありました。MRTeも積極的に参加させていただき、低磁場型の食品用MRIの現状についても発表致しました。お集まりいただきました皆様方にはこの場をお借りいたしまして御礼申し上げます。ちなみに、第1回は同じ場所(東京水産大学)で開催されています。来年2011年は同じ時期に宇都宮日光付近での開催が検討されています。

 2010年8月6日(金)NMRマイクロイメージング研究会外伝
「1T小型MRIによるα米の吸水と水の状態の解析」のポスター前における出会い 
  MRIシグナルの本質であるNMRは、多孔質物質内部の細孔隙の分布や形状を研究する重要な手法に位置付けられている。同様に、シグナルのT2減衰が非常に緩やかな性質を持つ低磁場型MRIは、多孔質物質内部の水を検出するための優れた方法となる潜在能力を有している。
  NMRで行われている貯蔵穀物の水分管理に対しても、低磁場型MRIで有用な情報を提供できる。さらに、不均一に乾いてゆく材木のモニターや高度な装置に装備した除湿用シリカゲルの交換時期のモニターなどについても、低磁場型MRIの出番がある。最近は、分子設計されたテンペレートを用いてさまざまな特殊機能を賦与したメソ多孔質素材の開発が新しい科学研究分野として成長している。このような数nmの孔隙に吸着した水や化合物も低磁場MRIの計測対象となるはずである。そして、MRIによる反応槽内における水分の吸脱着、ガスの流れ、液体の流れなどの変化の観測は、反応環境の適正化および速度の制御における有効なモニター法の一つとなると思われる。