研究情報; 乾燥パスタ・乾麺のイメージング(MRI)

Update : 2014.04.30 (11:26:10)

Posted : 2014.04.30 (09:02:27)

記事作成 2014-04-30 08:44:13

  乾いた食品のMRIは一般的に難しいといわれている。MRIは主に運動性の高い水・油や弱い束縛のものを対象としている。食品の表面に吸着したり、小さな塊になっている水・油は特にT2およびT2*減衰が激しく、特に高磁場MRI(>3T)ではSPI/SPRITEなどの特別なパルスシークエンスを用いないと信号を充分に捉えることはできない。いっぽうで、茹でめんに関しては、食品総合研究所吉田・堀金らのグループによる、T2値と水分含量を対応させた高磁場での先行研究がある。それでは乾燥パスタ・乾麺はMRIの対象にならないのであろうか?担当者らは1T[テスラ]食品用MRIを用いて、一般的に流通している乾燥パスタ・乾麺のMRIを得たのでここに報告する。

装置は自社製1T-MRI(永久磁石は旧住友特殊金属製)を用いた。計測ソフトウェアにはS7, iPlusの最新版を用いた。被写体は、スーパーマーケットで購入した乾燥パスタ、およびソバ(乾麺)である。撮像シークエンスは、3D-GRE(TR= 250ms)であり、画像取得時間は17分/3Dであった。

乾燥パスタ・そば麺のイメージング20140428

[右クリックで3D断層のムービーが見られます] 002918-750N-015854

 これらの結果より、市場に流通してる乾燥パスタ、乾麺のイメージングは食品用MRIで可能であると言えた。なお、RFコイルの内径を小さいもので最適化したり、パスタ・麺類の軸方向の空間分解能を下げることによって、計測時間を短縮したり、面内の空間分解能を上げることができる。

 以上。担当者より。