ソフトウェア開発情報; ”MRマイクロスコピィのデータをMR-Volumemetry機能で解析”
Update : 2011.05.13 (18:31:24)
Posted : 2011.02.26 (03:01:35)
記事作成 2011-02-26 01:47:56
データアクジションソフトウェアと連携して動作する弊社製ソフトウェアiPlus(仮称)に体積計測機能を追加した。3D画像を見ながら各スライスで任意形状の輪郭を、添付画像の青色領域のように選択して、かつ小さな丸群の位置を更新して輪郭形状の修正ができる。スライス位置と面積x厚さの情報はCSVファイルで保存できるのでエクセルで解析を行うことができる。
評価に用いた3D画像は、4.7Tの超伝導磁石をもちいて3D-SE(TR/TE=100/10ms, 50um3, 195Hz/pixel)で取得された、マウス胎児(Jcl:ICR, 14dpc)のデータである。撮像には弊社製コンソールを用いた。被写体サンプルはホルマリン固定液を硫酸ニッケル水溶液に置換して撮像を行った。画像(左)に示すように肝臓が黒く抜けているのは、造血作用によって、肝臓のT2値が著しく短縮しているためである。3D画像のAxial断層各スライスをめくりながら、”心臓”の外輪郭を頭部側の端から選択した。各スライス面での心臓の外輪郭内側の画素数は合計8515画素であった。一画素の体積が、(50um)3 = 0.000125mm3であることから、心臓の外輪郭の内側体積は1.06mm3と計測できた。この計測結果の比較として、心筋の体積を計測した先行研究(http://physiolgenomics.physiology.org/content/13/3/187/F2.expansion)と数値が近いので、計測は正しいと考えられた。心室・心房等の体積計測や誤差範囲の割り出しは今後の課題である。また、このVolumemetry機能は、脳皮質、海馬、脳室、肝臓、膀胱、肺、脳梗塞範囲、腫瘍などの体積計測にも使用することができる。以上。